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〜「三井ダイレクト損保」と「西成教授(東京大学)」が共同リサーチ〜 「自動運転」に関するアンケート調査

MS&ADインシュアランス グループの三井ダイレクト損害保険株式会社(取締役社長:船木 隆平/URL:https://www.mitsui-direct.co.jp/)は、西成 活裕氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)と共同で、2017年8月31日(木)〜2017年9月10日(金)の11日間、18歳〜79歳の男女1,000人に対してインターネットリサーチを実施しました。

アンケート総括

  • 自動運転への関心 ⇒ 48%が関心ありと回答(Q1

  • 自動運転への関心がある理由 ⇒ 事故リスクや運転負荷の減少への期待が上位(Q2-1

  • 自動運転への関心がない理由 ⇒ 自動運転への不安や不満が上位(Q2-2

  • レベル1〜2の購入意欲 ⇒ オプション追加で「1万円まで」が回答多数(Q3

  • レベル3の購入意欲 ⇒ 平均「221.9万円」であれば購入したい(Q4-1

  • レベル4の購入意欲 ⇒ 平均「256.3万円」であれば購入したい(Q4-2

  • レベル5の購入意欲 ⇒ 平均「292.7万円」であれば購入したい(Q4-3

  • レベル5の発売予想時期 ⇒ 「10年以内」と36%が回答(Q5

  • レベル5が普及する際の障害 ⇒ 法律の整備と交通事故の責任所在の整理が同率1位(Q6

  • 事故が起こった際の責任の所在 ⇒ メーカーとドライバーが分担すべきが回答多数(Q7

  • 自動運転と聞いて想起する企業 ⇒ 1位「日産自動車」2位「トヨタ自動車」(Q8

アンケート回答者に提示した、自動運転のレベル(レベル0〜レベル5)

  • 内閣府作成の「高度自動運転実現に向けた政府全体の制度整備大綱に向けた動き」を参考に作成
レベル 呼称 概要 安全運転に係る監視、対応主体
レベル0 運転自動化なし
  • 運転者がすべての運転操作を実施
運転者
レベル1 運転支援
  • システムが前後・左右のいずれかの車両制御に係る運転操作の一部を実施
運転者
レベル2 部分運転自動化
  • システムが前後・左右の両方の車両制御に係る運転操作の一部を実施
運転者
レベル3 条件付運転自動化
  • システムが全ての運転タスクを実施(※限定条件下)
  • システムからの要請に対する運転者の応答が必要
システム
(作業継続が困難な場合は運転者)
レベル4 高度運転自動化
  • システムが全ての運転タスクを実施(※限定条件下)
  • システムからの要請に対する運転者の応答は不要
システム
レベル5 完全運転自動化
  • システムが全ての運転タスクを実施(※限定条件なし)
  • システムからの要請に対する運転者の応答は不要
システム

ただし、いずれのレベルにおいても、運転者はいつでもシステムの制御に介入することができる。

  • ここでの「条件」は、必ずしも地理的な条件に限らず、環境、交通状況、速度、時間的な条件などを含む。

東京大学 西成教授によるアンケート結果総括

ここ数年、自動運転に対する世間の関心がかなり高まっているのを感じています。テレビのニュースやネットの記事で目にする機会も多くなりました。ただしその多くが、メーカーや研究者、そして政府などいわゆる「供給側」からの情報発信で、個人のニーズがどれだけあるのかについてのまとまった情報を見る機会はなかなかありませんでした。今回の調査は、あらゆる年齢層の生の声をたくさん集めたもので、今後の自動運転技術を考える上でとても貴重なものではないかと思います。

まず、自動運転に対して関心を持っている人は全体の約半分でしたが、運転頻度が高い方ほど強い関心を持っていることが分かりました。そしてそれは、日頃の運転に対する不安や不満を解決してくれる期待感から来るもので、特に事故リスクの低減、そして運転負荷の低減の2つが個人の大きな関心事であることが分かりました。確かに運転していて一番怖いのは事故であり、自動運転で安全性が高まることへの期待は大きいでしょう。また、運転は私たちの心身に負荷をかける行為であるため、それを機械に任せることができれば楽になります。この負荷とは、事故を起こさないため周囲に注意を払う緊張感もありますし、また渋滞中のイライラなども含まれていると思います。

以上より、事故リスクと運転負荷の低減、という二大ニーズを見据えて供給側は研究開発をしていくべきでしょう。

そしてアンケートでは、自動運転による渋滞緩和の期待は、この二大ニーズほど大きくはありませんでした。渋滞中に代わりに運転をしてくれる機能だけでなく、渋滞緩和そのものにも自動運転は役に立つことはまだあまり知られていないようです。私は渋滞学を研究していますが、渋滞を緩和するためには、状況に応じて車間距離を適切に調整することが重要であることが分かっています。この車間調整を人ではなく自動で行うことにより、渋滞を減らすことができるため、私は自動運転技術に渋滞緩和の面からも期待しています。

それではこの自動運転技術にいくらの価値を人は見出しているのでしょうか。
安全や運転支援など単体の機能に関しては、どれも1万円以下が約半数を占めていて、あまりお金をかけたくない様子が伺えました。
それでは完全自動運転車が出来たとして、いくらなら買うでしょうか。この興味ある問いの答えは、約300万円でした。私はもう少し高い価格を想定していたので意外でしたが、皆のニーズが高くなればもっと値段も下がるかもしれません。

それでは最後にこの完全自動運転はいつ実現すると考えているのでしょうか。
私が一番驚いたのは、その実現は10年以内と思っている人が最も多かった、という結果です。そして30年以内に実現すると考えている人が全体の8割を超えていました。実は私自身はもっと先だと考えていまして、技術的な問題や法的な問題、安全性などクリアしなければならない事がまだまだ沢山あると思っております。私が最も気になっているのは乗っ取りの問題です。外から悪意を持った人が自動運転車を思うように操縦したら、と考えると恐ろしいですね。今後自動運転の社会への普及を考えていくには、技術の負の部分についても包み隠さず、全てをきちんと開示しながら合意形成していくことが重要だと思います。

自動運転車が走る未来の社会が、私たちにとって幸せな生活をもたらしてくれることを願っております。

西成 活裕(にしなり・かつひろ)

東京大学先端科学技術研究センター教授
1967年、東京生まれ。
1995年、東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程を修了後、山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科、ドイツのケルン大学理論物理学研究所を経て、2005年、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻に移り、2009年より現職。
著書の『渋滞学』(新潮選書)では、講談社科学出版賞、日経BP・BizTech図書賞を受賞した。日本テレビ『世界一受けたい授業』などテレビ、ラジオなどにも多く出演。
2017年5月には『逆説の法則』(新潮選書)を出版。

西成 活裕(にしなり・かつひろ) 東京大学先端科学技術研究センター教授


アンケート詳細

  • 自家用車の自動運転(注)についての意識とニーズの把握を目的とした調査を実施しました。
  • アンケート回答者に対して以下の自動運転レベル区分を提示し、現時点で市販されているレベル1・2と市販されていないレベル3〜5の、各レベルについて回答を得ました。

  • 自動運転とは、現在ドライバー(人間)が行っているさまざまな運転操作を、人間の代わりにシステム(機械)が行うことを指します。

アンケート回答者に提示した、自動運転のレベル(レベル0〜レベル5)

  • 内閣府作成の「高度自動運転実現に向けた政府全体の制度整備大綱に向けた動き」を参考に作成
レベル 呼称 概要 安全運転に係る監視、対応主体
レベル0 運転自動化なし
  • 運転者がすべての運転操作を実施
運転者
レベル1 運転支援
  • システムが前後・左右のいずれかの車両制御に係る運転操作の一部を実施
運転者
レベル2 部分運転自動化
  • システムが前後・左右の両方の車両制御に係る運転操作の一部を実施
運転者
レベル3 条件付運転自動化
  • システムが全ての運転タスクを実施(※限定条件下)
  • システムからの要請に対する運転者の応答が必要
システム
(作業継続が困難な場合は運転者)
レベル4 高度運転自動化
  • システムが全ての運転タスクを実施(※限定条件下)
  • システムからの要請に対する運転者の応答は不要
システム
レベル5 完全運転自動化
  • システムが全ての運転タスクを実施(※限定条件なし)
  • システムからの要請に対する運転者の応答は不要
システム

ただし、いずれのレベルにおいても、運転者はいつでもシステムの制御に介入することができる。

  • ここでの「条件」は、必ずしも地理的な条件に限らず、環境、交通状況、速度、時間的な条件などを含む。

Q1.あなたは、自動運転について関心をお持ちですか。

  • 単数回答形式【n=1,000】
  • 「n」とは、有効回答者数のことを指します。以下同様。

Q1.あなたは、自動運転について関心をお持ちですか。

自動運転への関心をお聞きしたところ、「強い関心を持っている」が14.0%、「少し関心を持っている」と回答した方が34.5%となり、合計48.5%が自動運転に関心を持っていることがわかりました。
運転頻度で比較をすると、運転頻度が高い方ほど「強い関心を持っている」という結果となりました。


Q2-1.あなたが、自動運転について関心をお持ちの理由をお答えください。

  • 複数回答形式【n=485】

Q2-1.あなたが、自動運転について関心をお持ちの理由をお答えください。

自動運転に「強い関心を持っている」、「少し関心を持っている」と回答した485名に対し、その理由をお聞きしたところ、「交通事故のリスクを減らしそうだから」と回答した方が最も多く64.9%、次いで「運転をすることの負荷を減らしてくれそうだから」が62.3%となりました。
上記1位・2位の回答数は、3位以下の回答と比較し大きく差が出る結果となりました。


Q2-2.あなたが、自動運転について関心をお持ちでない理由をお答えください。

  • 複数回答形式【n=515】

Q2-2.あなたが、自動運転について関心をお持ちでない理由をお答えください。

自動運転に「全く関心がない」、「あまり関心がない」と回答した515名に対し、その理由をお聞きしたところ、「自動運転について不安や不満があるから」と回答した方が最も多く36.5%となりました。 また、「自身で運転をすることが好きであるから」と回答した方も18.8%となりました。


Q3.現在市販されているレベル1〜2の自動運転の機能について、オプションで追加する場合、あなたはいくらまで支払えますか。

  • 単数回答形式【n=772】

衝突被害軽減ブレーキの機能

Q3.現在市販されているレベル1〜2の自動運転の機能について、オプションで追加する場合、あなたはいくらまで支払えますか。

前方に車や障害物がある時の誤発進抑制機能

Q3.現在市販されているレベル1〜2の自動運転の機能について、オプションで追加する場合、あなたはいくらまで支払えますか。
Q3.現在市販されているレベル1〜2の自動運転の機能について、オプションで追加する場合、あなたはいくらまで支払えますか。

走行時・渋滞時の負担を軽減する機能(注)

Q3.現在市販されているレベル1〜2の自動運転の機能について、オプションで追加する場合、あなたはいくらまで支払えますか。

自動駐車の機能

Q3.現在市販されているレベル1〜2の自動運転の機能について、オプションで追加する場合、あなたはいくらまで支払えますか。
Q3.現在市販されているレベル1〜2の自動運転の機能について、オプションで追加する場合、あなたはいくらまで支払えますか。

運転免許証をお持ちの772名に対し、現在市販されているレベル1・2の自動運転の主要機能についてお聞きしました。オプションで追加する場合、自動駐車の機能以外は「1万円まで」と回答した方が最も多い結果となりました。
また、自動駐車の機能に関しては「0円なら機能を付けたい」と回答した方が最も多い結果となりました。

  • 以下の機能のことです。
    • 車線内中央付近の維持
    • 先行車への追従走行による車間距離維持
    • 高速道路や主要幹線道路の単一車線に限る。

Q4.将来的にレベル3〜5の自動運転車が発売されると仮定します。いくらであればこの自動運転車を購入したいと思いますか。

  • レベル3・4は高速道路と主要幹線道路に限った自動運転が前提。(数値回答形式)

【レベル3】

  • 運転免許証保有者(772人)に限り調査

Q4.将来的にレベル3〜5の自動運転車が発売されると仮定します。いくらであればこの自動運転車を購入したいと思いますか。

【レベル4】

  • 運転免許証保有者(772人)に限り調査

Q4.将来的にレベル3〜5の自動運転車が発売されると仮定します。いくらであればこの自動運転車を購入したいと思いますか。

【レベル5】

  • 運転免許証非保有者を含め調査

Q4.将来的にレベル3〜5の自動運転車が発売されると仮定します。いくらであればこの自動運転車を購入したいと思いますか。

現時点で市販されていないレベル3〜5の自動運転車が市販されたと仮定した場合の購入意思をお聞きし、購入意思がある方に対していくらであればこの自動運転車を購入したいと思うかをお聞きしました。 レベル3の自動運転車を購入したいと思う金額は平均「221.9万円」となりました。一方、レベル5になると平均金額は「292.7万円」と、レベル3と比較し約70万円高くなりました。
なお、「購入意思なし」の方は、レベル5が最も多く43.9%となりました。


Q5.将来的にレベル5の完全自動運転車が日本で市販されると仮定した場合、それは何年後になると思いますか。

  • 単数回答形式【n=1,000】

Q5.将来的にレベル5の完全自動運転車が日本で市販されると仮定した場合、それは何年後になると思いますか。

レベル5の完全自動運転車が日本で市販されると仮定した場合、その時期は「10年以内」だと思う方が36.8%、「20年以内」だと思う方が32.3%となりました。
また、自動運転への関心度合いで比較すると、関心を強く持っている方ほど、早い時期に発売されると思うと回答した方が多い結果となりました。


Q6.将来的にレベル5の完全自動運転車が日本で市販されると仮定した場合、日本で一般的に普及するに際し、障害になるものは何だと思いますか。

  • 複数回答形式で3つまで選択可【n=1,000】

Q6.将来的にレベル5の完全自動運転車が日本で市販されると仮定した場合、日本で一般的に普及するに際し、障害になるものは何だと思いますか。

レベル5の完全自動運転車が市販されたと仮定した場合、障害だと思うものは、「法律の整備」と「交通事故の責任の所在の整理」が52.3%と同率1位になりました。
また、自動運転への関心度合いで比較すると、関心を全く持っていない方の19.7%が「自身で車を操作したいというニーズの大きさ」が障害になると回答しました。


Q7.レベル4・5の自動運転レベルにおいて、自動運転中に事故が発生した場合、その事故の責任はだれが負うべきだと思いますか。

  • 単数回答形式【n=1,000】

Q7.レベル4・5の自動運転レベルにおいて、自動運転中に事故が発生した場合、その事故の責任はだれが負うべきだと思いますか。

レベル4・5の自動運転レベルにおいて、自動運転中に事故が発生した場合、その事故の責任はだれが負うべきだと思うかとお聞きしたところ、最も多い回答は「事故の状況に応じて、自動車メーカーとドライバーが責任を分担すべき」となり62.5%が回答しました。
また、レベル4・5の対応主体はシステム(機械)とされているものの、「自動車メーカーが全ての責任を負うべき」と回答した方が22.6%に留まりました。


Q8.あなたが自動運転と聞いて、想起する企業を思いついた順に3つまでお答えください。

  • 自由回答形式で3つまで回答可【n=1,000】

Q8.あなたが自動運転と聞いて、想起する企業を思いついた順に3つまでお答えください。

自動運転と聞いて、最初に想起する企業を3つまでお聞きしたところ、最も多い回答は「日産自動車」となり368票を集めました。第2位は「トヨタ自動車」332票、第3位は「本田技研工業」121票となっています。また、第5位には「Google」がランクインする結果となっています。


調査概要

  • 20代以下、30代、40代、50代、60代以上の計5区分で、各区分200人に割付を実施。
調査方法 インターネット調査(PC)
調査地域 全国
その他の条件 18歳〜79歳の男女
調査期間 2017年8月31日(木)〜2017年9月10日(金)
有効回答数 1,000人
実施機関 株式会社ネオマーケティング『iResearch』

〜報道関係者さまへのお願い〜

本内容の転載にあたりましては、「三井ダイレクト損保調べ」と付記のうえご使用いただきますようお願い申し上げます。

三井ダイレクト損害保険株式会社 概要

商号
(英文名)
三井ダイレクト損害保険株式会社
(Mitsui Direct General Insurance Company, Limited)
事業内容 損害保険業
代表者 取締役社長 船木 隆平
設立年月日 1999年6月物産インシュアランスプラニング株式会社として設立
所在地 東京都文京区後楽1丁目5番3号
資本金 391億600万円
株主 MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社
三井物産株式会社
三井住友信託銀行株式会社
三井生命保険株式会社
株式会社三井住友銀行

三井ダイレクト損害保険株式会社


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