ページID:N40299
2017年10月23日 三井ダイレクト損害保険株式会社
MS&ADインシュアランス グループの三井ダイレクト損害保険株式会社(取締役社長:船木 隆平/URL:https://www.mitsui-direct.co.jp/)は、西成 活裕氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)と共同で、2017年8月31日(木)〜2017年9月10日(金)の11日間、18歳〜79歳の男女1,000人に対してインターネットリサーチを実施しました。
ただし、いずれのレベルにおいても、運転者はいつでもシステムの制御に介入することができる。
ここ数年、自動運転に対する世間の関心がかなり高まっているのを感じています。テレビのニュースやネットの記事で目にする機会も多くなりました。ただしその多くが、メーカーや研究者、そして政府などいわゆる「供給側」からの情報発信で、個人のニーズがどれだけあるのかについてのまとまった情報を見る機会はなかなかありませんでした。今回の調査は、あらゆる年齢層の生の声をたくさん集めたもので、今後の自動運転技術を考える上でとても貴重なものではないかと思います。
まず、自動運転に対して関心を持っている人は全体の約半分でしたが、運転頻度が高い方ほど強い関心を持っていることが分かりました。そしてそれは、日頃の運転に対する不安や不満を解決してくれる期待感から来るもので、特に事故リスクの低減、そして運転負荷の低減の2つが個人の大きな関心事であることが分かりました。確かに運転していて一番怖いのは事故であり、自動運転で安全性が高まることへの期待は大きいでしょう。また、運転は私たちの心身に負荷をかける行為であるため、それを機械に任せることができれば楽になります。この負荷とは、事故を起こさないため周囲に注意を払う緊張感もありますし、また渋滞中のイライラなども含まれていると思います。
そしてアンケートでは、自動運転による渋滞緩和の期待は、この二大ニーズほど大きくはありませんでした。渋滞中に代わりに運転をしてくれる機能だけでなく、渋滞緩和そのものにも自動運転は役に立つことはまだあまり知られていないようです。私は渋滞学を研究していますが、渋滞を緩和するためには、状況に応じて車間距離を適切に調整することが重要であることが分かっています。この車間調整を人ではなく自動で行うことにより、渋滞を減らすことができるため、私は自動運転技術に渋滞緩和の面からも期待しています。
それではこの自動運転技術にいくらの価値を人は見出しているのでしょうか。 安全や運転支援など単体の機能に関しては、どれも1万円以下が約半数を占めていて、あまりお金をかけたくない様子が伺えました。 それでは完全自動運転車が出来たとして、いくらなら買うでしょうか。この興味ある問いの答えは、約300万円でした。私はもう少し高い価格を想定していたので意外でしたが、皆のニーズが高くなればもっと値段も下がるかもしれません。
それでは最後にこの完全自動運転はいつ実現すると考えているのでしょうか。 私が一番驚いたのは、その実現は10年以内と思っている人が最も多かった、という結果です。そして30年以内に実現すると考えている人が全体の8割を超えていました。実は私自身はもっと先だと考えていまして、技術的な問題や法的な問題、安全性などクリアしなければならない事がまだまだ沢山あると思っております。私が最も気になっているのは乗っ取りの問題です。外から悪意を持った人が自動運転車を思うように操縦したら、と考えると恐ろしいですね。今後自動運転の社会への普及を考えていくには、技術の負の部分についても包み隠さず、全てをきちんと開示しながら合意形成していくことが重要だと思います。
自動運転車が走る未来の社会が、私たちにとって幸せな生活をもたらしてくれることを願っております。
東京大学先端科学技術研究センター教授 1967年、東京生まれ。 1995年、東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程を修了後、山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科、ドイツのケルン大学理論物理学研究所を経て、2005年、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻に移り、2009年より現職。 著書の『渋滞学』(新潮選書)では、講談社科学出版賞、日経BP・BizTech図書賞を受賞した。日本テレビ『世界一受けたい授業』などテレビ、ラジオなどにも多く出演。 2017年5月には『逆説の法則』(新潮選書)を出版。
自動運転への関心をお聞きしたところ、「強い関心を持っている」が14.0%、「少し関心を持っている」と回答した方が34.5%となり、合計48.5%が自動運転に関心を持っていることがわかりました。 運転頻度で比較をすると、運転頻度が高い方ほど「強い関心を持っている」という結果となりました。
自動運転に「強い関心を持っている」、「少し関心を持っている」と回答した485名に対し、その理由をお聞きしたところ、「交通事故のリスクを減らしそうだから」と回答した方が最も多く64.9%、次いで「運転をすることの負荷を減らしてくれそうだから」が62.3%となりました。 上記1位・2位の回答数は、3位以下の回答と比較し大きく差が出る結果となりました。
自動運転に「全く関心がない」、「あまり関心がない」と回答した515名に対し、その理由をお聞きしたところ、「自動運転について不安や不満があるから」と回答した方が最も多く36.5%となりました。 また、「自身で運転をすることが好きであるから」と回答した方も18.8%となりました。
運転免許証をお持ちの772名に対し、現在市販されているレベル1・2の自動運転の主要機能についてお聞きしました。オプションで追加する場合、自動駐車の機能以外は「1万円まで」と回答した方が最も多い結果となりました。 また、自動駐車の機能に関しては「0円なら機能を付けたい」と回答した方が最も多い結果となりました。
現時点で市販されていないレベル3〜5の自動運転車が市販されたと仮定した場合の購入意思をお聞きし、購入意思がある方に対していくらであればこの自動運転車を購入したいと思うかをお聞きしました。 レベル3の自動運転車を購入したいと思う金額は平均「221.9万円」となりました。一方、レベル5になると平均金額は「292.7万円」と、レベル3と比較し約70万円高くなりました。 なお、「購入意思なし」の方は、レベル5が最も多く43.9%となりました。
レベル5の完全自動運転車が日本で市販されると仮定した場合、その時期は「10年以内」だと思う方が36.8%、「20年以内」だと思う方が32.3%となりました。 また、自動運転への関心度合いで比較すると、関心を強く持っている方ほど、早い時期に発売されると思うと回答した方が多い結果となりました。
レベル5の完全自動運転車が市販されたと仮定した場合、障害だと思うものは、「法律の整備」と「交通事故の責任の所在の整理」が52.3%と同率1位になりました。 また、自動運転への関心度合いで比較すると、関心を全く持っていない方の19.7%が「自身で車を操作したいというニーズの大きさ」が障害になると回答しました。
レベル4・5の自動運転レベルにおいて、自動運転中に事故が発生した場合、その事故の責任はだれが負うべきだと思うかとお聞きしたところ、最も多い回答は「事故の状況に応じて、自動車メーカーとドライバーが責任を分担すべき」となり62.5%が回答しました。 また、レベル4・5の対応主体はシステム(機械)とされているものの、「自動車メーカーが全ての責任を負うべき」と回答した方が22.6%に留まりました。
自動運転と聞いて、最初に想起する企業を3つまでお聞きしたところ、最も多い回答は「日産自動車」となり368票を集めました。第2位は「トヨタ自動車」332票、第3位は「本田技研工業」121票となっています。また、第5位には「Google」がランクインする結果となっています。
本内容の転載にあたりましては、「三井ダイレクト損保調べ」と付記のうえご使用いただきますようお願い申し上げます。
法人のお客さまはこちらから
コンシェルジュデスク
0120-834-321
9:00〜18:00(年末年始を除く)
メールでお問い合わせ
自動車保険のパンフレット・重要事項説明書・約款のしおり(普通保険約款・特約)・ロードサービスご利用規約はこちらからご覧いただけます。
パンフレット・重要書類