プレスリリース 〜創業以来20年以上使用したレガシーシステムからの脱却〜「強くてやさしい」を支える次世代基幹システムをリリースしました
三井ダイレクト損害保険株式会社
MS&ADインシュアランス グループの三井ダイレクト損害保険株式会社(取締役社長:河村 隆之/URL:https://www.mitsui-direct.co.jp/)は、最新のIT設計思想や新技術を採用した次世代基幹システム”Trusty”(注1)(以下、Trusty)をリリースし、はじめてネット損保を検討されるお客さまにもわかりやすいWeb手続き機能へ全面的に刷新しました。
本システムの活用により、従来以上に、お客さま一人ひとりに最適なご提案やサービス提供を行うとともに、社内業務の効率化やシステム開発スピードの更なる向上など事業戦略・課題への対応力を強化してまいります。
- (注1)「信頼できる」「頼りになる」システムを実現する、という想いを込めて、新たな基幹システムを”Trusty”と名付けています。
1.Trusty構築について
当社は「強くてやさしい」企業としての取り組み基盤を強化するため、創業以来20年以上使い続けている基幹システムを全面刷新するプロジェクトを段階的に進めてきました。今回の刷新は、コンタクトセンターシステムの刷新(2022年10月ニュースリリース)、マーケティングシステムの構築(2024年3月ニュースリリース)に続くものであり、次世代基幹システムとしてお客さま向けWeb手続き機能(お見積もり・契約手続き)や契約保全を担う機能等を刷新したものです。
2.今回のリリースで実現する主な内容
(1)Webお見積もり・契約手続きをより「早く」「かんたんに」「わかりやすく」
画面遷移数や入力項目数を削減し、お見積もり・契約手続き画面をシンプル・スリム化(図1)するとともに、設問や説明を、お客さまにご理解いただきやすい表現や文章に変更しました。また、特にわかりづらい補償内容については、お客さまが選択した補償内容によって可変するイラストで説明するようにしました(図2)。これにより、お客さまが従来よりも直感的な操作で早く、かんたんに、わかりやすく安心してお見積もり・契約手続きを行っていただけるようになり、実際に体験されたお客さまからも「わかりやすい」という声を多数いただいています。
(2)マイページの「使いやすさ」の向上
マイページトップ画面で「契約情報」「継続手続き」「事故連絡」等の表示や各種ボタンを上部に配置し、必要なお手続きをスムーズに行っていただけるよう見直しました(図3)。また、お客さま向けの重要なお知らせ・通知や、事故受付の連絡先等をマイページの見やすい場所に配置し、お客さまが大事な情報に視覚的に気づいていただきやすいユーザーインターフェースにしました。
(3)当社コンタクトセンター業務の高度化
コンタクトセンターのスタッフが利用する電話受付画面を、「現在の補償内容」「お車の利用状況」「家族構成」等が把握しやすいものに刷新し、よりスムーズに、お客さまへ最適な補償内容のご提案ができるようになりました。
(4)「強くてやさしいクルマの保険」の法人契約引き受け
これまで「強くてやさしいクルマの保険」のご契約は、個人のお客さまのみお引き受けをしていましたが、法人を契約者・記名被保険者とするご契約もお引き受けが可能となり、個人のお客さまと同様に、法人のお客さまも当社Webサイトからお見積もりとお申し込みができるようになりました。
- ※詳細は2024年8月1日ニュースリリース「強くてやさしいクルマの保険」の法人契約販売開始のお知らせをご参照ください
3.Trustyの技術的特長について
(1)モダナイゼーション(Modernization)(注2) によるレガシーシステムからの脱却
Trustyでは、既存基幹システムの機能をSoE(お客さまとのつながりを重視して設計するシステム群)、SoR(契約保全を重視して設計するシステム群)、SoI(データ分析から戦略立案するシステム群)の3領域に、全体最適で配置しています。特に、SoR領域は長年の修正が積み重なりレガシー化していたため、現在のビジネスニーズに合わせて、全面的に再構築する「モダナイゼーション(Modernization)」を施しました。
- (注2)稼働し始めて数十年を経過した古いコンピューターシステムを、過去の資産を活かしながら最新の技術に適合した現代的なシステムへと置き換えること。
(2)業務サービスのマイクロサービス化による開発効率の向上
SoR領域の再構築は、当社と株式会社野村総合研究所(NRI)との共同開発で実現しています。設計手法にはドメイン駆動設計(注3)を採用し、既存基幹システムの密結合(モノリシック)アプリケーションをマイクロサービスアーキテクチャ(注4)に移行することで、業務サービス機能の疎結合性を確保しています。業務サービス機能は、自動車保険の契約引受業務を「販売受付管理」「商品管理」「マーケティング管理」などコンテキスト(業務要素)単位に分割配置し、各機能はAPI(注5)連携する内部構成としています。デジタル時代にあわせて最適化しており、販売チャネルの拡張容易性や商品改定期間の短縮を実現します。
- (注3)業務仕様やビジネスルールを軸に設計を行い、よりユーザーのニーズを満たしたシステム化対応を行うための設計手法のこと。
- (注4)アプリを機能単位で独立して開発し、それらをパズルのように組み合わせて、ひとつのシステムとして構築する手法のこと。
- (注5)Application Programming Interfaceの略で、プログラムの機能を効率的に共有するための仕組みのこと。
(3)フルクラウド化によるビジネス拡張性の実現
ITインフラ基盤の整備では、クラウドサービスとしてOCI(Oracle Cloud Infrastructure)を採用し、コンテナ管理ツールKubernetesを活用した実行環境を、SoR領域の稼働基盤として株式会社野村総合研究所(NRI)よりサービス提供を受けて実現しています。また、複数のクラウドサービスを使い分けるマルチクラウド活用を進めており、Google CloudやAWSをベスト・オブ・ブリードで組み合わせて利活用しています。また、CI/CD(注6)(継続的インテグレーション/継続的デリバリー&デプロイ)やテスト自動化ツールも導入しており、業務サービスの継続的な修正と機能拡張に対応します。
- (注6)一定の品質を保証しながら、素早くアプリケーションを配置・展開する自動化の手法のこと。